【空き家問題】増え続ける空き家にどう対処してどう活用するべきか?

今や全国の家屋の8軒に1軒が空き家と言われるほどの空き家大国・日本。

増え続ける空き家。

今は大丈夫でも、将来自分の実家も空き家になる可能性があるという人も少なくないはず。

そんな空き家問題にどう対処するべきか。

空き家をどう活用すべきか。

このページでは空き家が抱える問題とその対処法についてご紹介します。

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このページでは空家等対策特別措置法について説明しています。空き家対策特別措置法の目的は何なのか?空家対策特別措置法の制定…

空き家が増える理由

現在日本では地方を中心に空き家が増え続けています。

僕の通勤路(徒歩)でもかなり空き家が目立ちます。

なぜ空き家は増え続けているのでしょうか?

これにはいくつかの要因があります。

核家族化+一世帯一軒

かつての日本は【家制度】を採用していて一軒に三世代くらいの家族が生活していました。

両親・兄夫婦・弟夫婦・それぞれの子どもたちが同居しているケースも決して少なくありませんでした。

田舎であればあるほどその傾向は強かったです。

現在の日本は核家族化が進み親と子ども夫婦と孫が同居するケースがずいぶん少なくなりました

加えて、実家から独立した子ども夫婦は実家があるにもかかわらず自分たちの住む家を建てて生活をしています。

(それが悪いわけではありません。そういう時代ということです。)

両親が元気なうちはイイのですが、両親が高齢になって施設に入ったり亡くなったりした場合に実家はどうなるでしょうか?

もちろん空き家になります。

『家』に対する考え方の変化

かつては【家(住宅)】といえば子や孫の世代までその家に住み続けるという前提で高品質な柱材や床材、屋根瓦を使い、広い居間や客間、庭を備えた立派な建物でした。

しかし現在では

「子どもたちはいつか家を出ていくのだから…」

という前提で「自分たちが亡くなるまで住み続けられればそれでイイ」「子どもたちはいずれ自分たちで家を建てる」という考え方で家を新築する夫婦がとても多いです。

2×4の規格木材で建てられた規格内の家が多く、工期も3カ月ほどで家が完成します。

(表現は悪いですが)いわば一代限りの使い捨て家屋というイメージです。

実家を取り壊すことへの哀愁

自分が生まれ育った家を取り壊すということは誰だってもの悲しさを感じます。

マンションからマンションへ移り住んだ人はともかくとして、一軒家で育った人の多くにとって理解できるでしょう。

両親が亡くなって実家に帰ることのない都会暮らしの子どもでも

「2~3年くらいは残しておこう」

と考える人は少なくありません。

更地にすると宅地の固定資産税が跳ね上がる

建物が建ち続けている間の宅地の固定資産税には特例措置が適用されています。

そのため建物が建っている宅地は建物が建っていない宅地に比べて固定資産税が3分の1から6分の1程度におさまっています。

しかし宅地上の建物を取り壊して宅地を更地にしてしまうと上記の特例措置が適用されなくなり、正規の固定資産税額を納める必要があります。

更地に建物が建つことで固定資産税の特例措置が適用され、固定資産税額が3分の1から6分の1におさまっていたところ、特例措置が適用されなくなる結果、宅地を更地にしてしまうと建物が建っているときと比べて固定資産税額が3倍から6倍になってしまいます。

他方で古い家屋にはほとんど固定資産税はかかりません。

なので固定資産税を抑えるために固定資産税のほとんどかからない古い家屋を取り壊さずに残そうという意識が働きます。

家を壊すのにもお金が掛かる

古い家屋といえども取り壊しには100万円~単位で費用が掛かります。

多くの解体業者が「実際に掛かった費用」として解体費を計算するわけではなく、「建物の床面積1坪〇万円」として解体費を算出しています。

たとえば建物の総床面積が30坪ほどで、1坪5万円で木造住宅の解体を請け負っている業者に頼むと150万円ほど解体費用が掛かります。

さらに重機が入らないような場所になると解体費用もグンと高くなります。

居宅は取り壊すのにも相当な費用が掛かります。

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空き家のまま放置するリスク

他人が出入りするおそれ

他人といっても主に未成年浮浪者のことです。

一見して明らかに建物が空き家だとわかると未成年の溜まり場になったり浮浪者の寝泊りの拠点になったりするおそれがあります。

どうせまったく使う予定のない朽ちていくだけの建物なら構わないかもしれませんが、そうはいっても気分がイイものではありません。

出入りしていた者がケガをしたら?

空き家を空き家のまま放置していると他人が出入りするようになるおそれがあります。

子どもなんて秘密基地の類が大好きなので近所の小学生の秘密基地にされる可能性もあります。

ところで、近所の小学生が空き家の中で遊んでいて、建物の欠陥(たとえば老朽化)によりケガをしてしまった場合、建物の所有者は責任を負う必要があるのでしょうか?

常識的にみて自業自得というべき状況にあることに異論はないでしょう。

しかし法律上は建物所有者が生じた損害を負う可能性があります。

民法に土地工作物責任(民法第717条)という規定があります。

詳細は省略しますが大雑把にいうと

土地上の工作物(たとえば建物)の設置・保存に不注意があってその不注意から他人に損害を負わせてしまった場合には工作物の所有者は生じた損害を賠償しなさい

ということです。

もちろん勝手に空き家に出入りしていたという点は相手方に非があるので、その点は考慮される(賠償額の減額)ことになりますが全額免除されるとまではいえません。

建物をどの程度管理していたか?という点が問われることになるでしょう。

失火のおそれ

これは昔からよくある問題ですが、未成年の溜まり場になった空き家の中で未成年が隠れて喫煙をしていたとします。

キチンと火の始末さえしてくれればイイのですが、友人たちと盛り上がって気分も高揚している未成年が火の始末をおろそかにするのはよくあることです。

仮にタバコの火が建物に燃え移ったとしても空き家だけの被害にとどまってくれれば最悪の事態は免れますが、隣家や近隣住宅に延焼してしまっては目も当てられません。

あるいは真冬に浮浪者が暖を取るために空き家の中で火器を使用する可能性もあり得ます。

「自分の家(空き家)は大丈夫」というのはまったく根拠はありません。

いつそういう事態が生じてもおかしくはありません。

自然災害による破損

これもよく耳にする問題です。

つい最近も知り合いに相談されたことがあります。

知人
台風のときに近くの廃屋の壁板が剥がれて飛んできて自動車のミラーが壊れたんだけど、どうすればいい?
ショーカラ
建物の所有者に弁償してもらいなさい

ということになります。

これは明らかに建物所有者の管理不足です。

他の家の壁や屋根が剥がれたり瓦が飛んだりということはありませんでした。

老朽化した空き家だから壊れたようです。

おそらくは壁や屋根をキチンと修繕していたら防げたであろう事故でした。

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景観を損ねる

(空き家の所有者に直接関係のある問題ではありませんが)町内に空き家が増えると町全体がゴーストタウンのような寂びれた印象になります。

印象だけならイイのですがそんな寂びれたような町に住もうという若者がどれほどいるでしょうか?

誰だって人の行き来のある活気ある町の方が住みたいはずです。

空き家の存在は町の景観を損ね町全体の印象を暗くします

結局、空き家はどうしたらいい?

空き家バンクの活用

近年、空き家問題がクローズアップされる中で多くの地方公共団体で取り入れられるようになったのが空き家バンクというシステムです。

地方公共団体が設置している空き家バンクに空き家情報を登録し、地方公共団体のホームページなどで空き家の情報を閲覧できる制度

空き家バンクを活用すれば不動産業者に仲介委託料を払う前に多くの閲覧者に向けて空き家情報を公開することが可能になります。

いきなり不動産売買の仲介を不動産業者に委託すると委託料を取られるケースが多いです(当然です)。
不動産業者はホームページに物件情報を掲載したり住宅地に看板を設置してこれらを管理していくことになるので、不動産が売れても売れなくても委託料は発生するのが通常です。

ただし地方公共団体が空き家の管理までおこなってくれるわけではないので、空き家の所有者は依然として住む予定のない空き家を維持・管理する必要があります。

なお、空き家バンクで目に止まった物件の仲介を自治体がしてくれるわけではないので、その場合には不動産業者に仲介を委託したり当事者同士で売買や賃貸の話を進めていくことになります。

思い切って取り壊す

家付きでは土地も売れない

空き家を残したまま屋敷を売りたいという人は少なくありません。

でも買う方にとって建物があった方が都合がイイかといえば、そうとも限りません。

特に地方都市においては建物がない方が(つまり土地のみの方が)買主に都合がいいということも少なくありません。

最近はテレビでも700万円台から家を新築できるというCMが流れているくらい建物が建てやすい時代になりました。

その一つの理由が一代限りの使い捨て住宅という点にあります。

2×4の定形規格の資材を使って安く短期間で建築する。自分たちの子どもたちは自分たちの生活拠点に別に家を新築すればいい。

という考え方が主流です。

自分たちの子どもや孫の代まで住むための家づくりという発想はほとんど聞きません。

また地方の土地は、ごくわずかな一部の地域を除いて年々と価格が下落しています。

下落幅は小さくなってきていますが今後も土地の価格が上がりそうな要素はほとんど見当たりません。

つまり地方には安い土地がいくらでも眠っています。

土地も(新築の)建物も安い時代に、わざわざ築40年の中古物件を買おうという若者は多くありません。

家を壊した途端に土地が輝く

実は土地って建物が建っているととても狭く見えていて、土地上の建物を取り壊した途端に「えっ?この土地ってこんなに広かったの?」と輝きを放つ土地ってけっこうあるんです。

古い建物が乗っている土地では見向きもされなかったのに、建物を取り壊した途端に土地に買い手が付いたという話はたくさん聞きました。

よく地方都市では

知人
こんなに土地が余ってるのに更地にしたところで売れないよ

といわれることがありますが、それは需要と供給の問題であって他に土地が余っていたところであなたの土地に需要がないかどうかは即断できません。

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まとめ

空き家を放置するとリスクが大きい
空き家バンクを活用する
それでもダメなら取り壊せ

地方都市を中心に年々増え続ける空き家ですが、これを放置して良いことなんてほとんどありません。

強いていえば土地の固定資産税に特例措置が適用されて固定資産税が安くなるということです。

しかし年に数回ほど空き家を見に帰省したり、お金を掛けて管理・修繕するとなるとかえって更地の固定資産税よりも高くつくかもしれません。

また空き家を放置すると予期せぬ責任を負うことになるかもしれません。

自分の家は大丈夫なんてことは根拠のない話です。

近年では多くの地方公共団体が空き家バンクを設置して積極的に空き家の情報を公開しています。

これを活用することで空き家を生きた資産として活用する途が開けるかもしれません。

逆にどうやっても活用する途のない空き家も少なくありません。

しかし、家付きのときは単なる寂びれた物件でも家を取り壊した途端に輝きを放つ土地もたくさんあります。

空き家バンクを活用して古い家を活かしていくか、家を取り壊して土地に輝きを持たせるか…

それは物件を熟知している物件所有者が最も合理的に判断できることです。

空き家バンクと通じた空き家活用の可能性空き家を取り壊す費用取り壊したあとの更地の売れる見込みなどを考慮して空き家問題に取り組んでみましょう。

こちらの記事もご参考までにどうぞ。

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